駿馬のように

No.226 / 2014年1月1日配信

 北国の牧場にある競走馬の厩舎シーン。冬の張りつめた冷気の中を、朝の蒼い光が差し込んでいます。しなやかに引き締まった馬体のシルエットが逆光に浮かび、吐き出される白い息が命の温もりを伝えてくれています。北海道の厳しい自然環境が「馬」によって美しく純化されるシーンで、遠くはなれた九州に住む私が憧れる空気感です。

 幸蔵酒造のふるさとである宮崎県の都井岬には、国の天然記念物にも指定されている「御崎馬(みさきうま)」が生息しています。サラブレッドと比べれば一回り小さく、頭の比率が大きいだけ親近感が持てます。落陽の岬をバックにした馬のシルエットは、自然の濃い南国の温もりと太平洋につながる雄大さを感じさせてくれます。

 高い知性を持つ馬と人間の素晴らしい関係は、スピルバーグの「戦火の馬」という映画で、戦争を背景に描かれていました。馬は固い絆を示してくれる、最高の相棒ではないでしょうか。そんな自然や時代を背景にして、私たちにさまざまな「美しいシーン」を見せてくれる馬(午)が今年の干支です。ぜひ、午年にあやかり、美しく、元気よく、駿馬のように駆け出したいものですね。

 「お父さん、若い頃はポニーテールが好きだったんでしょ」と、娘が話しかけます。今でも嫌いではない、と言って、娘の今風の髪型を眺めます。「やっぱり、お前には無理だな、綾瀬はるかじゃないから」「じゃなくって、悪かったわね」と、娘が口を尖らせました。私は2杯目の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』に乗って、すでに今年も駆け出しています。

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