お泊まりはルーフホテル

No.210 / 2013年7月21日配信

 思っていたより細い石の道を登って、パルテノン神殿が建つアクロポリスの丘に立つと、古代文明の凄さに圧倒されてしまいます。神殿の回りを工事用の「鉄パイプの足場?」が取り巻いていましたが、それでもこの神殿を見るために、はるばるイタリアからアドリア海を渡ってギリシャに来たかいがあったと、満足したのを憶えています。

 この数年、ギリシャは深刻な財政事情で知られましたが、私が訪れた当時は、欧州共同体(EC)に加入(1981年)し、国家として安定し始めた時期じゃないかと思います。私はアテネに向かうため、ギリシャの港町パトラスから列車に乗り込みました。古いディーゼル列車は走り始めて30分も経たないうちに、何やら凄い煙を吐き出し、すぐにストップしてしまいました。

 修理にかなり時間を費やした後、やっと動き始めましたが、アテネに到着する頃はもう真っ暗です。やれやれ。すると、車掌(?)が車中で、今夜アテネでホテルの予約がない人に、留まる場所を紹介しています。ルーフというホテルで、一泊200円だったと思います。アテネに着いた私はえらく安いな、と思いながら石造りの建物の階段を、案内人について上りました。

 そして、着いたところはなんとビルの屋上で、先客が何人も寝袋で寝入っています。欧米系の若い女性もごろりと横たわっています。ルーフというホテルは「屋根部屋」のこと。パルテノンを見る前にこんな感動的なホテルを経験したわけです。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』のロックグラスを傾けると、こんな楽しい想い出があふれ出てきます。ギリシャに乾杯!負けるなよ。

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