ならぬものはならぬ
No.203 / 2013年5月11日配信
「お父さん、コレ美味しいのよ」と、ご飯にマヨネーズをかけたり、牛乳を注いだりして食べることが好きな娘が朝食時に言いました。温かいご飯の上にバターを置いて、しょうゆをたらしてかき回しています。私はちょうどパックの中の納豆を、美食家・魯山人がかき混ぜたといわれる「200数十回」を目指し、きちんと箸でくるくると混ぜていました。
娘はオムレツの半分を「バターかき混ぜご飯」の上に乗せて、まるでオムライスでも食べるように玉子とご飯を同時に口に運びます。「オムライス以上かも。とても簡単だし、バッチリ!」と娘はニコニコ。以前、娘がご飯にケチャップをかけて、チキンライスみたいと言って食べていたのも知っていますが、もちろん賛成なんかできません。
私の好きな綾瀬はるかが出演しているNHKの大河ドラマ「八重の桜」。その中で、子供達が通う会津藩校の「什の掟」に出てくる「・・・はなりませぬ」というフレーズが大好きです。私は自分を重く律して精神を鍛える、武士の生き方に美しさを感じるからです。バターをご飯にかき混ぜて出来る味に「オイシ~」と喜んでいる、娘の対照的な「その軽さ」には、本当にあきれるばかり。
朝から「ならぬものはならぬ」の心境です。美味しいものは、ある種のキチンとした「作り方」があって初めて生まれるものだ、と文句を入れました。「でも、美味しそうよ」と家人の一言で、さっそく私が2:1の不利な状態に。やっぱり、私の言うことを理解してくれるのは、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』だけです。私が晩酌を待ちこがれる大きな理由はここにあるのです。