ちゃんこ鍋
No.185 / 2012年11月11日配信
玄界灘からの北風を意識する頃になると、浴衣姿のお相撲さんの姿が博多の街に溢れます。今年の九州場所は日馬富士が横綱になっての初めての場所です。横綱が二人ともモンゴル出身で、しばらく和製横綱を見ていません。横綱は強さと品格があれば、国籍は関係ないと思いますが、もうそろそろ日本人横綱の姿も見てみたいものです。
先日、九州場所会場から1キロメートルくらい離れている場所にある「ちゃんこ鍋料理」の店に行きました。大相撲の十両力士だった方が開いた店でした。博多に住んでいると「もつ鍋」「鶏の水炊き」がご当地鍋で、九州自慢の「鹿児島ぶたしゃぶ」「佐賀牛のすき焼き」などもあり、普段の私には「ちゃんこ鍋」は遠い存在です。
そのちゃんこ鍋は塩あじのさっぱり系スープでした。鶏だんごや揚げ、豊富な野菜でとてもヘルシー。多くの具材からしみでる旨味が、スープの味をさらに深めます。激しい相撲の稽古の後、たっぷりと美味しく食べるのに適した味わいなのかもしれません。それぞれの部屋で、伝統的に作られてきた本場の味を、こんなに手軽に楽しめるのも素敵なことです。
部屋の伝統と受け継ぐ力士の努力に支えられた味は、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の昔ながらの手づくりの味に重なります。「旨さを守り続ける」ということは、日々挑戦する姿勢そのものだといわれます。やはり、伝統の旨味が一日にして生まれるわけはありません。だから、根気の足りない私はその精神を賜るために、今夜もこうして『幸蔵』の力を借りるのです、ふふっ。