小雪(しょうせつ)
No.150 / 2011年11月21日配信
節電、高めのエアコンの設定温度の中、ゆで上がる頭と格闘していた夏の記憶が薄らいだと思ったら、もう冬が手招きを始めました。11月22日は二十四節気の「小雪(しょうせつ)」です。この時季は北風が枯れ葉を払い、雨も雪になり降り始める頃だそうですが、地理的条件に温暖化も手伝い、現実の九州ではまだまだ先のことです。
秋を通り過ぎるスピードは去年と物理的に変わらないはずですが、年々速くなっているような気がします。家人に言わせると「人間は年を取るごとに、一年を感じる長さが短くなっていく」のだそうです。その長さは記憶をつかさどる場所にどれだけ強く、数多く足跡を残すことが出来るかどうかで決まるのだとか。
恋愛、友情、旅、映画、小説、スポーツと、現実的には一番大切だったのかもしれない「受験勉強」以外のことに好奇心を傾け、よくもそのための時間にほとんどを割けたものです。その高校三年間の想い出の強度は、この最近の三年間の記憶をはるかに凌駕します。好奇心の薄れた毎日は容赦なく加速を付けて過ぎ去っていきます。反省。
心臓が飛び出すのではないかと思うくらい胸をドキドキさせながら、初デートで入った喫茶店。コーヒー一杯で粘った後の帰りの舗道には枯れ葉が舞っていました。不思議と寒くなかった夕暮れ時。小説のような夢の時間、小雪の時季の息弾む温かさ。今夜も想い出が伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』の2杯目を要求しています。
~Stay hungry, Stay foolish.~ スティーブ・ジョブズ