ジャコ天

No.149 / 2011年11月11日配信

 江戸っ子だった友達に「板わさ」を教えてもらい、鹿児島や宮崎の飫肥(おび)の旅で仕入れたお土産で「つけ揚げ」の味を知り、博多のうどん屋で「丸天」に馴染み、もちろん正月のおせち料理でお目にかかる「紅白かまぼこ」と、私の「水産練り物」を食する歴史は年を重ねるごとに豊かさを増してきました。

 骨があり食べにくい、調理が面倒などの理由で若い世代の魚離れ傾向が続いています。私の大好きなかまぼこや竹輪の「水産練り物」は食べやすいし、調理もほとんどしなくて良いし、大丈夫だろうと思っていたら、なんとこれも減少傾向だそうです。国の発表資料によると近年の「水産練り物」の総生産量は昭和60年の頃の約半分だということで、ファンとしては大いに不満です。

 最近は噛んだ時に口に残る「ザラッと感」が気持ちのよい、分厚い「ジャコ天」にはまっています。骨や皮も付けたまますり身にするので、旨味がギュッと詰まっているようで、もう虜状態です。もちろん身だけのものよりカルシウムなども多く含まれているので、とてもヘルシー。四国の方ではカレーライスの具にしている所さえもあるそうです。

 「なにか、ジャリジャリしない、この揚げ天? 雰囲気悪くない、これ」と娘が私のグルメ感情を逆撫でするようなことを言います。「お前にはまだ判らないんだよ、そこのところの良さが。まあ、未成年だから仕方ないだろうけどね」と、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をゴクリ。しかし、本当にジャコ天と幸蔵の相性は地味だけど最高!これはもう止められません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です