トビウオ

No.132 / 2011年5月21日配信

 夏へ向かう季節に船上から海水面を眺めていると、トビウオの滑空に出会えることがあります。大型魚の捕食から逃げるために飛ぶといわれますが、けっこう高速で長い距離を飛ぶので、その姿からは感動さえもおぼえてしまいます。トビウオのヒレはグライダーの翼のように大きく進化して、まるで羽が生えているようです。

 そんなトビウオを乾燥させてつくった「干しあご(干しトビウオ)」からは美味しい出汁がとれます。私が住む博多では表面を焦がした「焼きあご」で正月のお雑煮の出汁をとります。うどん出汁用の商品もあり、その澄み切った美味しさはうどんの水準を間違いなく一ランク上げてくれ、鰹出汁にもひけはとりません、と強気にもなれます。

 新鮮なトビウオが手に入ったら塩焼きや唐揚げもいいけど、刺身にするのもオススメです。私の好きなマアジに比べて脂分が少ないだけに、さっぱりとしている分、魚本来の美味しさが楽しめます。秋~冬や産卵期の前の脂がのった刺身とひと味違う美味しさは、初鰹に通じる清々しさ。生姜や茗荷の千切りをそえれば完璧です。

「栄養成分表によると、トビウオのビタミンE含有量はマアジの約6倍だってよ」と家人にWEB上で仕入れた健康蘊蓄をチラリ。ビタミンEという単語の威力は抜群です。家人は若返りビタミンには目がないので、今週の食卓にトビウオが登場するのは間違いありません、ふふっ。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を切らさないようにしてその日を待つだけです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です