卯(うさぎ)年
No.118 / 2011年1月1日配信
今年、2011年はうさぎ年です。代表的な白いうさぎは、その白くて可愛らしいキャラクターで誰からも愛されています。ただ、イソップ寓話に出てくる「亀とかけっこをして負けるうさぎは」自信過剰の能力者で、鈍足で能力的には劣るが「努力を怠らなかった」亀の引き立て役になる間抜けな動物でした。日本神話の中の「因幡の白兎」ではワニをだます役を演じます。
うさぎは外見イメージからすると、昔話の中ではどうして「良い役割」がもらえなかったのか不思議に思ってしまいます。しかし、よく考えてみると、頭が良くて俊敏だという能力に長けているということは、自信過剰による思い上がりにもつながりやすく、それを戒めるための格好の対象となりやすいということでしょう。もちろん罠や落とし穴には注意しなさいという教訓にも聞こえます。
近年は一年365日があっという間に過ぎ去るように感じます。デジタル社会特有のスピード感かもしれません。情報に追われ、埋もれ、その処理にまわす時間の足りなさも原因のひとつでしょうが、たまには(私にとっては一日に一度)時間をゆっくり回す必要があります。そう、亀の歩みのような時間が。大切なのは「うさぎ+亀」のハイブリッド型のバランスのとれた生き方であると、私は信じます。
「あなた、最近、晩酌の時間が長くなったんじゃないですか?」と、正月早々、家人が一言はさみます。「ユルめる必要があるんだよ!」というと、「ユルめ過ぎなんじゃ」と娘も口を突っ込みます。今年も伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」だけが私の味方かもしれません。いやいや、幸せな家族だよ今年も、と幸蔵の声が聞こえたような、そんな気がしました。