栗名月

No.110 / 2010年10月11日配信

 中秋の名月は9月に訪れましたが、残念ながら私の地方では曇天のせいで観賞出来ませんでした。その日は夜の気温も湿度も高く、仮に十五夜の満月が現れていても、秋の雰囲気に浸ることは出来なかったかもしれません。よし、次は十三夜がある!と、私はしつこく10月20日に次の月見の目標を定めました。

 9月の十五夜(中秋の名月)のことを「芋名月」、10月の十三夜のことを「豆名月や栗名月」といった「呼び名」は作物の収穫期と相まり、自然の恵みが催しに反映していてどことなく風雅です。そういえば、昔、父が「杯の中に月を浮かべて飲んだら、美味しいだろうな」と話していたのを想いだします。

 娘に十三夜の月のことを「栗名月」と言うんだよ、と教えてあげたら、「私はそんな栗最中より、新栗を使ったモンブランのほうが好き。そういえば、今年はまだ食べてないよね」と、風流とはかけ離れた反応。現代は月を池に映して、その姿を愛でるといった「いにしえの時代」ではないけれど、「栗名月」を和菓子の最中の名前に間違えるとは!

 十三夜にはほくほくとした茹で栗を用意しようと思います。由緒ある日本の正しい風物詩には、自然と一体になった優しい空気感があります。そうです、栗の優しい自然な甘さは、芋の持つ豊かな甘みに似て、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の味わいにもどこか通じます。十三夜が晴れることを願って、さあ今夜も一杯やりましょう!

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