レバニラ炒め

No.105 / 2010年8月21日配信

 家人が「内臓系統」をあまり好まないので、私が大好きな「ホルモン焼き」や「もつ鍋」、レバニラ炒めなども食卓にのぼる回数は多くありません。「レバーはビタミンAや鉄分が豊富なので、女性も食べた方が良い」と勧めても、全く話に乗ってこようとはしません。そういった理由で、今の私の内臓系料理はもっぱら「飲み会」などの外食に限られています。

 「ここでは、みんなよくレバーのステーキを食べるよなぁ」と、私に中央郵便局の夜間バイト紹介してくれた先輩が教えてくれました。大きな郵便局内には食堂があり、夕刻から明け方迄働く私たちの「夜食」を作ってくれます。仮眠をとれるものの、私たちに課せられる夜間作業は、麻袋に入った郵便袋を宛先地名ごとに仕分けるキツい筋肉労働でした。いきおい、食堂では体力のつくメニューがもてはやされるのです。

 それ迄は今の家人と同じように、レバーを好んで食べるようなことはありませんでした。しかし、体力を要求される労働がいつの間にか私を、「レバーも結構いけるね!」「次、また食べよう」という若者に育て上げてしまったのです。バイト代が残ってるうちはよく、有名な外食チェーンのレバニラ炒めのお世話になりました。生活費が枯渇してくると、インスタントラーメンとキャベツの日々がまた始まるのです。だから、私にとっては「レバニラ炒め」はバラ色の日々だったというわけです。

 人が寝ている時間も働き続けた若い「あの体力」も、それを支える「気力」もずいぶん落ちてしまいました。年齢とともにアップしたのは体脂肪率とコレステロール量という情けなさ。残暑の夏だし、ようし、ここは一発・スタミナ料理だ!と「レバニラ」のある居酒屋に雪崩れ込むしかありません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と「レバニラ」は夏の最強タッグでしょう。「明日への活力」というフレーズが似合うメニューですが、本当は家でも作ってほしいなぁ、ぶつぶつ。

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