年越し蕎麦
No.81 / 2009年12月21日配信
生まれてからずっと、一度も欠かすことなく食べているのが大晦日の「年越し蕎麦」。関東地方から引っ越してきた友人から「年越し蕎麦は『もり』や『ざる』で食べるもんだよ。温かい汁そばは年越しでは食べたことないね」と聞かされて、びっくりしたものです。学生時代を除いて、ずっと九州をホームグランドにしていたので、年越し蕎麦は「温かい蕎麦」だと疑いもしませんでした。
大晦日に食べる縁起物として、そのいわれはいろいろとあるようですが、「細く長くしっかりと生きていけるように」と願いが由来のもとだと考えるのが一般的ですね。我家ではこの一年の最後の食事として、年越し蕎麦を食べます。年を越えてから食べると縁起が悪いといわれるので、夜食ではなくて夕食にしているのです。紅白歌合戦を見ながらのオーソドックスな食事風景です。
蕎麦に合うのはやっぱり天ぷら。好みの具材をカラッと揚げてもらい、トッピングに、また晩酌のおつまみにと大変重宝します。近年特に好きになったのが、レンコンやごぼうなどの地下茎や根菜類です。歯ごたえのある美味しさに惹かれるようになりました。シャキシャキ感を天然塩やからし醤油で味わいながらの一杯は堪えられません。
一年の過ぎ去り方が、年を重ねるごとに速くなっていくようです。正月の夜に伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲んだのも、昨日のような気がします。オバマ大統領の「Yes We Can」の変革から始まり、日本でも「Change」を叫んだ民主党が与党になった2009年。変わらなければいけないのは、自分自身だとは分かっているのですが、何もしないままやっぱり今年も終わりそうです。来年こそは、と念じながらいつものように、愛する幸蔵の一杯に身を委ねながら…。我が飼い猫がひとつ欠伸をして、私の脚の上で丸くなっています。まぁ、いいか。