おくんち

No.75 / 2009年10月21日配信

 九州の西・北部では秋祭りのことを「くんち」と言い、「お」をつけて「おくんち」と言ったりします。この一年の収穫を神に感謝して奉納する大きな祭りは、各地で盛大に催されます。他の地域では秋祭りのことをおくんちとは呼ばないので、日本三大くんちと言えば九州の「長崎くんち」「唐津(佐賀県唐津市)くんち」「博多くんち」ということになるのだそうです。

 龍踊りなどの出し物で有名な「長崎くんち」は、中国文化などの異国情緒とあいまって人気があります。それに負けないのが、毎年11月の2日夜から4日の夕刻まで、晩秋に向かう気持ちのよい空気の中で繰り広げられる「唐津くんち」です。「エンヤ、エンヤ」のかけ声で曵かれる美しい14台の曳山は豪華な漆の工芸品で、国の重要無形民俗文化財として歴史的な価値を持ちます。

 光り輝く金獅子や重厚な武田信玄や上杉謙信の兜。そして真っ赤な魚体に可愛い目をした「鯛」は、観光に訪れた家族連れの、特に「お子さん」に人気がある曳山です。前後に魚体を揺らし、そして一対のひれを微笑ましく上下させながら毎年注目を浴びています。曵き手が身につけている正絹の肉襦袢や長法被衣装がとても美しく、秋の日差しに映えて祭りを盛り上げます。また、提灯の光に照らされる宵山も昼間と違った幻想的な趣でとても素敵です。

 妻の実家がこの「唐津くんち」で賑わう町内だから、毎年滞在する私のボルテージも上がりっ放しです。唐津では正月よりも大切だと言われる「くんち」なので、飲んで、飲んで、また飲んで。私が持ち込んだ伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も年を重ねて、もうなくてはならない存在に。今年もまた、賑やかにくんちが始まります。祭りはいいなぁ。さあ、飲もう、飲もう。

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