蕎麦打ち
No.40 / 2008年11月1日配信
昔、学生の頃、アルバイトでレストランの調理補助をやっていました。様々なプロの技を目の当たりにすることができ、いつの間にか簡単な料理くらいは自分で作れるようになったものです。幼い頃から工作やお絵描きなどが好きだった土壌があったので、料理に限らず「ものを作ること」への興味はその時点からさらに広がっていきました。
面白そうだったので、当選者が参加できる無料の蕎麦打ちの講習会にも出掛けた経験があります。講習会後に食べた自分で作った蕎麦が、形はともかくけっこうな味でした。ものづくりの心に火がついてしまい、さっそく、通販で廉価な「蕎麦打ちセット」を買い求めました。毎週蕎麦粉を買いに走ったことも思いだします。
習った通りに蕎麦粉・小麦粉・水、そして蕎麦つゆ材料を用意して数回挑戦しましたが、上手くいきません。どうしても麺が上手く打てないので、原因を蕎麦粉の中に見つけようとしたのです。東北地方の有名な蕎麦産地から蕎麦粉を取り寄せたりと、それなりには頑張ったつもりですが、遂に最後はギブアップ。蕎麦打ち能力の無さに愕然としました。くやし~。それ以来、蕎麦打ちセットはクローゼットの奥深くで眠り続けています。
昨年登場した「いえそば」なる玩具メーカーの簡単蕎麦打ちマシンの評判も上々で、何やら市民権も得た感じです。が、私は振り向かずに、週末には刺身包丁でアジの刺身をひきます。やっぱりソバよりアジだ、などと訳のわからない言葉を吐きながら…。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が苦笑いをした後、ぽつり。魚をさばけるなら、上出来だよと慰めてくれます。