半夏生(はんげしょう)と蛸

No.27 / 2008年6月21日配信

 雑節のひとつである「半夏生(はんげしょう)」は毎年7月2日頃で、今年は7月1日だそうです。この時期に「半夏」という薬草が生えたことからそう呼ばれたのだとか。梅雨も後期、田植えも終了する頃で、この日の天候で今年の稲作を占ったり、田んぼの神様を祭ったりする風習が伝えられています。関西地方では稲の苗が蛸の足のようにしっかりと大地に根をはり、豊作となるようにと「蛸」を食べる習慣があるそうです。

 九州に住む私が「半夏生」を知ったのは、以前、新聞に折り込まれていたスーパーのチラシに掲載されていたことがあるからです。そして、この時期が真蛸の旬にあたることからも、おすすめ食材として大きく訴求してありました。「旬の真蛸」、とても旨そうです。「半夏生の風習」を越えて「旬の美味しさ」のほうに目がいくのは、私の性格上、仕方がありません。

蛸の刺身はもちろん、蛸の天ぷら、蛸ごはんなど、どれを見ても唾液腺が有頂天になりそうなものばかり。生蛸の刺身に梅肉醤油をつけて食べたら最高だろうな、と考えるだけでわくわくします。蛸の天ぷらも酒の肴にぴったりだし、蛸ごはんなどはまさに粋の極致。四季を彩る旬の美味しさに囲まれた、日本人の感性豊かな食卓。そんな旬の味覚がこの蒸し暑い季節のストレスを吹き飛ばしてくれます。今夜は「旬の真蛸」と伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」が待っています。私は今とても幸せです。

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