瑞穂の国
No.26 / 2008年6月11日配信
日本における約一月半の雨期、「梅雨」。6月の梅雨は旧暦では5月に当たるので、五月雨(さみだれ)と呼ばれていました。「五月雨を 集めて早し 最上川」。奥の細道で詠われた芭蕉の印象的な梅雨の句です。基本的にはだらだらと続く五月雨(梅雨)も、近年は集中豪雨で河川の氾濫も頻発しているので気を許せません。
面倒な雨傘のシーズンは湿度が高く、夏の気温と相まって、毎日が不快指数との戦いとなります。カビ、食中毒の本格的なシーズンが始まり、我が連れ合いは気が抜けないと、不満たらたら。エアコンの部屋が洗濯物に占領される情景には、いらだちさえ覚えてしまいます。
とはいえ、我が瑞穂の国を支えているのが梅雨の雨。雨の多い田植えの時期があってこそ、黄金に輝く収穫の秋が訪れるというものです。日本人の食文化を考えると梅雨に文句は言えないはずですね。むしろ、恵みの雨だと感謝すべきものかもしれません。
雨が続く梅雨の夜、氷の音をグラスに響かせながら、伝承かめ壷造り本格米焼酎「昔気質」のルーツに想いを馳せます。恵みの雨と陽光に育まれた瑞穂の国の焼酎に癒される瞬間。ふ~っ、日本人で良かった。それに、宮崎県串間市大束のシラス土壌の畑では、サツマイモも静かに「約束の季節」を目指して成長を続けています。ふふっ、秋の幸蔵がとても楽しみです。「お父さんは楽しみが多くていいわネ」と、焼酎の原料についての蘊蓄を聞かされた連れ合いも皮肉半分、うらやましさ半分。