自然の力、人の力

No.2/2007年10月11日配信

 幸蔵酒造は宮崎県の最南部、串間市にあります。宮崎市から約70km南下したところにあり、串間市の境界線の南隣は鹿児島県です。串間の気候は年間平均気温17.9度で暖かく、降水量、日照時間に恵まれ、火山灰で出来たのシラス土壌でのさつまいもの栽培も、これ以上望めないほどの条件です。

幸蔵酒造の蔵を出て、清冽な水が流れ落ちる「赤池渓谷」までの案内された道中は、さつまいも畑の連続。豊かで濃い自然は、私の嗅覚を子供のころの記憶へと運んでくれます。裸足で歩いたこともある、懐かしいあの畦道とその匂い。

 8月末から収穫に入ったさつまいもを使って、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の新しい命が誕生しようとしています。すべてを手づくりで仕上げる幸蔵酒造ならではの「人の力」が「串間の自然の力」と融合することによって生まれる焼酎達。神妙な顔のまま、蔵のかめ壷見学を終えるころ、静かに瓶にラベルを貼っていた女性が顔を上げて、挨拶をしてくれました。とても、やわらかい目で。

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