柔らかうどん

No.612/ 2024年9月11日配信

 入社して数年、独身寮で生活していました。寮の近くには「みやけうどん」という歴史あるうどん屋さんがあり、よく食べた記憶があります。まだ、九州においては讃岐うどんというブランドを知る人も少なく、ごく普通に博多の腰のない麺を当たり前のように食べていました。特にみやけうどんのふわふわな太麺はこの世のものだとは思えない(?)ほどでした。

 独身寮は博多区の上呉服町にあり、お寺がたくさんありました。すぐ裏手には禅寺の聖福寺、少し離れて東長寺、承天寺など寺社が連なるエリアです。その承天寺の聖一国師が宗よりうどんの製粉技術を持ち帰り、福岡で麺を食べる文化が広まったともいわれています。だからかどうか、福岡市民は豚骨ラーメンよりうどんの方をたくさん食べていると思います。

 先日ニュースで知ったのですが、腰の強い讃岐うどんがもてはやされる東京で、北九州市の柔らかうどんのチェーン店「資(すけ)さんうどん」が出店するという話です。九州ではポピュラーな「ごぼう天うどん」ですが、そのごぼう天が10センチ以上のスティック状で、その歯応えの良さも相まって、資さんうどんの人気が爆発。うまいです。麺はほどほどの柔らかさです。

 九州の基本はあご出汁や鰹出汁などの旨みたっぷりのスープに柔らかなうどん。私のおすすめのトッピングは煮込みの牛肉とごぼう天がです。博多ならではの丸天(すり身天プラ)もいいなあ。小ネギをたっぷり盛って、柚子ごしょうを加えると最高です。多彩なトッピング、柔らかうどんの一杯は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の肴にも出来そうな気がします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です