キース・ヘリング

No.611/ 2024年9月1日配信

 連日35度以上の猛暑日が連続した8月。暑い夏なりに楽しめることはあるだろうと、ここはひとつ冷房の効いた美術館でも出かけて、ゆっくりと時間を過ごすことに。その日鑑賞するのはキース・ヘリングのアート。キース・ヘリングはアメリカの地下鉄の広告掲示板を利用した、白のチョークで描いた「サブウェイ・ドローイング」で注目を集めたといわれます。

 キース・ヘリングのアートは単純化された太い線で描かれ、鮮やかでポップな色使いが特徴です。そのアートはアイコニックな表現と呼ばれますが、ひと目見ただけでそのデザインが何を表しているかが識別できる表現なんだそうです。パソコンやスマホのアイコンと同じように機能的で、東京オリンピック時の競技ピクトグラムマークと趣を同じくする感じです。

 麻薬の撲滅、さまざまな社会的差別への反対、反戦・反核運動などの主張が「言葉」じゃなくて、誰でもがわかりやすくデザインされていることが人気の秘密かもしれません。子供・大人、国や性別を超えて愛されるキース・ヘリング。1980年代、当時日本でも紹介された初期のPOPカルチャーを見て「ふざけているよな、この絵は」と思った私が少し恥ずかしい気がします。

 肩に力を入れなくても楽しめるアートは観終えた後も心が疲れていません。先日、家人が持っていた子供向け物語「エルマーの冒険」を読み終えた後とその感覚はよく似ています。心が丸くなって、妙にほっこり。それにしても、撮影しても良い展覧会が増えたなぁ、良い傾向です。帰って、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」でもやりながら、再度、スマホをのぞいてみよう。

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