鯖の冷汁

No.609/ 2024年8月11日配信

 南九州を旅した時、宮崎県だったと思いますが、焼き鯵の身と味噌を擦り合わせて、きゅうりなどを浮かべた料理「冷や汁」を食べた経験があります。日南海岸から見る太平洋は広々として、青が濃く、力強い海の印象が残っています。サボテン公園(今はサボテンハーブ園)でサボテンのステーキを食べそこなったことも、郷土料理の「冷や汁」と共に思い出します。

 肉料理や横文字メニューに気が向いていた若い頃だったので、実はその時の「冷や汁」にはあまり関心がありませんでした。しかし、時は魔法。年をとるごとに料理を見る目を変えてくれました。冷や汁は身近な材料から健康に役立つ栄養を摂ることができるメニュー。それも食欲が落ちる暑い時期にひんやりとおいしく食べられる優れものだと理解し直しました。

 家人が「冷や汁」を作ると言って、きゅうり・大葉・茗荷・味噌・和風出汁・白胡麻・冷やご飯を準備しています。そしてサバ水煮缶も。サバ缶の汁ごと使うことで、DHAなど溶け出ている栄養も全ていただけるというから嬉しい限りです。細かくスライスした香味野菜とザックリ壊した鯖の身を冷たい味噌汁に入れて、冷やご飯にかけるだけと、作り方は超簡単です。

 夏の暑い昼さがりだったので、邪道かもしれませんが丼に氷を浮かべて食べました。冷たい素麺も美味しいですが、タンパク質たっぷりで栄養満点の冷や汁は別の意味でも貴重です。豆腐を加えても面白いかな。七味唐辛子をかけた方が良かったかな、と改善点も次々。今度は夜に食べるようにして、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と一緒に楽しもうと思います。

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