百歳・藤城清治
No.605/ 2024年7月1日配信
最近はTV番組でもWEBのニュースでも「百歳」になったからといって多くは取り上げられません。以前は大きな話題を呼んだのに、長寿社会に入った日本ではもう珍しくはありません。昭和の終わりに、「きんさん、ぎんさん」というの双子の長寿の姉妹がCMに登場し、あの「徹子の部屋」にも出演するなど、時代のアイドルとして華々しくTVや週刊誌上で活躍されていました。
百年(1世紀)という単位の区切りがよく、厚生労働省のホームページには「人生100年時代」に向けて、というタイトルで国家としての色々な政策が掲載されています。ある海外の研究では、2007年生まれの日本の子供の半数が107歳以上生きると推計されているそうです。高齢者雇用対策をはじめとする施策も、少子化対策とともに大切になってくるのは当然かもしれません。
私が大好きな影絵作家の藤城清治さんが百歳を迎えられて、記念の展覧会が開かれていて、6月に行ってきました。確か、10年前にも同じ博物館で催されていましたが、何回でも観たくなる影絵の世界です。たくさんの作品に出てくる「こびと」「多くの動物」はこの地球で生きているみんなを幸せにするモチーフで、メルヘンチックな夢を私たちの心に届けてくれます。
藤城さんは自分が得意な切り絵の世界で「生きるよろこび」を表現し、誰からも指図されない生き方を自分で切り拓かれていきました。今年百歳で制作された作品も展示されていました。見事です。私に百歳はあるかどうかはわかりませんが、藤城さんのようにキラキラとした眼差しで生きていきたいものです。当然、毎晩の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と一緒に、ですが。