包丁研ぎ

No.586 / 2023年12月21日配信

 野菜サラダに使うためにトマトを切ろうとしたら、包丁の刃が皮の上を滑ってうまく切れません。師走もあと残りわずかという時期、ここは思い切って新年に備えて包丁研ぎでしょうか。菜切包丁・刺身包丁、そして小さめのペティナイフの刃を研いだ数年前の記憶はまだ残っています。それ以来だとすれば、切れなくなるのは当然の話です。面倒だけど、仕方ないなぁ。

 研ぎ石を探していたら「世界!ニッポン行きたい人応援団」という、テレビ東京の番組を思い出しました。日本の「あるもの」について学びたい人を世界中から募って、特別に日本へ招待するという番組です。5年も前の放送だったと思いますが、「包丁研ぎ」が好きで、天然砥石と和包丁の磨きを学びたいという欧州男性の話でした。毎日、嬉々として包丁を研いでいるそうです。

 包丁研ぎに没頭できる人にはなれませんが、「包丁の切れ味」についてはもっと知っておくべきことがありそうです。新品の包丁と、砥がずに使い続けた包丁とでは、思っている以上に食材の味に相違があるということ。慶應義塾大学発ベンチャー企業の味覚センサーで調べてみると、切れ味の悪い包丁では食材の旨みを逃し、苦みや雑味が増加したそうです。

 マグロ刺身の美しい断面は見るだけで心を奪われます。やはりどんな食材でも美味しく食べようと思えば、細胞を潰さずに断面鮮やかにスパッと切る必要があるのです。またひとつ学習できました。おいしいもの好きならば、新しい年のこともあるし、ここはしっかり「包丁研ぎ」に向き合わねば。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」も頷いたような気がしました。

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