新聞折込チラシ
No.583 / 2023年11月21日配信
当時は自宅で一般紙を取っていたので、毎朝別の経済新聞を地下鉄駅の売店で買い込んでは、電車の吊り革につかまりながら読んでいたものです。縦に細く折り込んで周りの乗客の迷惑にならないようにして。「一般紙一紙だけでは世の中を渡っていくのには情報が少し足りないな」と、先輩からありがたい(?)指導をされて以来、経済新聞も読むようになりました。
一介の安月給のサラリーマンが2紙購入していることなど、今では驚くべきことかもしれません。昔も今も、価値ある情報にはお金を払っても求めたいものですが、昭和の時代には新聞は最強力な情報ツールでした。ところが、今では情報ツールの王様はWEB媒体に取って代わられ、全国の新聞発行部数はこの25年で5,376万部から3,084万部へと激減の憂き目に。
そうなると、問題になってくるのがその新聞に折り込まれているチラシですが、近年は新聞を介せず直接ポスト投函されるスタイルが多くなってきました。フリーペーパーにも折り込まれるようになっています。スーパーのセールチラシのPDFファイルは手軽にスマホでのぞけます。昭和を経験した人間としては、この便利な情報端末に少し複雑な感情が絡みます。
「お父さん、北海道物産展のチラシ、何かいいものあった?」と娘が話しかけます。「あぁ、お前の好きなスイーツじゃないけど、数の子松前漬けが出てたから、買いに行こうかな」。相変わらず酒のつまみしか興味がないのね、と娘は諦め顔。まだまだ二十世紀の風情ムンムンの我が家。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」と松前漬け、おっと、涎が出てきそうです。