茹でピー
No.579 / 2023年10月11日配信
ちょうど一年前のこの時期、神奈川県秦野市に住む大学時代の友人から殻付落花生が送ってきました。亡くなられた父親が晩年、落花生づくりに励まれていたそうで、友人はその後を継いで落花生づくりを続けています。「オヤジは収穫した落花生を次々に亡くなっていく戦友たちに、毎年送り続けていたんだ。お前も違う意味で俺の戦友だったから、送ったよ」と久しぶりの電話の声。少し胸熱。
友人は落花生づくりを始めて5年目だそうですが、今年は油断して電気柵に電流を流し忘れていたところ、初めてハクビシンに畑を荒らされたそうです。味をしめたハクビシンは何度も侵入してきて、ほぼ半分は彼らの餌になってしまったようです。そんな貴重な落花生は「相州落花生・郷の香」という品種のなんとも大きな粒でびっくりするような量です。店で買ったら高いだろうなと恐縮しました。
日本の落花生の生産量は国別で64位(2021年度)で、国内消費を賄っているうちの9割が輸入品ということです。その多くが中国産で、安価で輸入されています。全消費の約1割を担う国産品では、なんと83%が千葉県産だとか。2位の茨城県、3位の神奈川県も加えると国産の9割強が関東圏ということになるそうです。国産品は価格が高く、品質で頑張らなくてはなりません。頑張れ、ニッポンです。
送ってもらったのは「茹でピー」。収穫後に茹でて、すぐに冷凍をかけたものなので、私はレンジで解凍して食べてみました。殻を開くとしぶ皮付きの落下性が現れ、つまんで口に放り込むとほくほくした食感と共に落花生本来の旨みが口の中に広がります。ウマイ!塩茹での程よい塩味が伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」にはピッタリ。今年はまだかと、すでに首は伸び切った状態です。