高野豆腐

No.565 / 2023年5月21日配信

 スポーツジムで気にしなくても目に入ってくるのが他人の身体。ドレッサールームの大きな鏡の前で、大胸筋に力を入れて筋肉をピクピクさせている男性もいます。ドライヤーで髪を乾かしながら、少し悔しい思いに駆られます。そして、ロッカールームでプロテインを溶かしたドリンクをゴクゴク飲んでいる人も結構目にします。自分の筋肉作りに頑張っている人は少なくありません。

 若い頃に比べ体に脂肪がつき、見た目は大きくなっていますけど、筋肉量には少しばかり寒々しさを覚える今日この頃。握力への自信も「この瓶の蓋ひねってくれない」との家人の一言で、脆くも崩れ去ってしまいました。直径10センチ弱のキャベツ漬けが入った瓶のキャップを捻って開けることができなかったのです。どんなに手のひらと指に力を入れてもびくともしませんでした。

 筋肉強化に欠かせないのがアミノ酸の摂取ですが、どうしてもスポーツジム人間が利用している効率的なプロテインには手が伸びません。へそ曲がりの私がこんなこともあろうかと購入していた「高野豆腐」を試すチャンスの到来です。スポットライトこそあたっていませんが、高野豆腐は本当にタンパク質の塊と言ってもいいような栄養食品。袋の表記には100gあたりタンパク質がなんと51,7g。

 高野豆腐をコンソメスープで戻して、片栗粉をまぶして多めのオリーブオイルで揚げ焼きします。黒胡椒を引いて、パセリのみじん切りを散らばらせます。ちょっぴり洋風に仕上がりますが、高野豆腐のミニステーキ風と言っても差し支えありません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を相棒に美味しく食べながら、家人に「次は瓶のキャップも軽く開けるからね」とホラ吹き人間になるのでした。

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