ゴマ鯵

No.554 / 2023年2月1日配信

 旬以外でも一年中、その美味しさを持ち続けている魚だと、私が勝手に思い込んでいる魚がご存じの「鯵(マアジ)」です。鯖と共に永く日本人に愛されてきた大衆魚の青魚で、刺身・焼き物・フライや南蛮漬けで私たちの食卓を飾ってきました。昨日もスーパーの惣菜売り場には小ぶりながら、1枚98円のお得な鯵フライが。食料品の値上がりが続く中での嬉しい場面に思わずにっこり。

 毎年夏の終わり頃、サンマの不漁がTVや新聞を賑わします。真鯵の漁獲量はあまり報じられていませんが、実は確実に減り続けているということです。真鯵の状況を知れば誰もが「鯵よお前もか」と悲しい気持ちになってしまうかもしれません。よく釣行していた昔、外道で針にかかってきた「鯵」を「なんやお前か!」と罵っていたことを思い出します。豊かな良き時代でした。

 博多のご当地料理として、生のサバ料理「ゴマ鯖(サバ)」が知られていますが、私も大ファンのひとりです。新鮮な鯖の刺身にすりごま、醤油、みりん、すりおろし生姜をあえた調味料で味付けをします。刻みネギ、刻み海苔をトッピングして出来上がりですが、最近私はその調理法で「鯵の刺身」を楽しんでいます。脂が乗ったサバと違い、意外とさっぱりした味が楽しめ、我が家の女性軍にも人気です。

 昨年の秋、初めて味を占めた私はそれ以来、新鮮な鯵を求め、鮮魚専門店へ定期的に向かうようになりました。鯵は三枚おろしにされ、皮も剥いであります。自宅で中骨を落として、できるだけ薄く削ぎ切り(家人の好み)に。刺身はもう少し厚い方がいいのにと、思えどそこは口に出さないのが男の嗜み(たしなみ)。私は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」でその「アジわい」を静かに楽しむのです。

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