サバのトマトソース煮

No.535 / 2022年7月21日配信

 家人に急な用事ができた夏の夜、自分で夕食を作らなくてはならなくなりました。残念ながら自分用にと買い込んでいた「酒の肴」材料も切らしているではありませんか。どうしようかと冷蔵庫を開け閉めしていたら、ありがたいことに「私が作ろうか?」と娘の声。酒の肴やメシ作りは俺が作った方が、といつも大見えを切っていた手前、さすがに娘の眼前で大喜びできませんでしたが。

 お父さん、サバは好きだったよね。ネットレシピの定番かもしれないけど、トマトで煮込んだら結構美味しいという話だよ、と言いながら、保管ケースからサバ缶とトマト缶を出してきました。コンソメ、ニンニクと塩胡椒、オリーブオイルで煮込むだけだから超簡単だし、だそうです。これ私が買っておいたんだけど、セールだったのでサバ缶とトマト缶合わせて250円もしなかったと思うよ。

 へぇ、とその経済観念の鋭さに一本取られましたが、栄養面で考えてみても優れた組み合わせかもしれません。サバはご存知のオメガ3脂肪酸の宝庫、トマトは強力な抗酸化力で有名なリコピンをしっかりと含む黄緑色野菜です。「健康的なもの」にどんどん惹かれるようになった私の心にグサグサと刺さります。美味しそうですが、ただ、サバ缶のクセがどうだろうかと気にはなりましたが。

 あっ、そうそうこれを忘れていた。と言って、私が買っていた乾燥バジルを持ってきて振りかけました。早速スプーンでひとすすり。イタリア産のトマトの濃厚な味わい、バジルの香り、そして全く問題ないサバの味わい。これはもう、プロのイタ飯屋の味だなと誉めました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」の氷たっぷりのグラスを傾け「天国、天国」と言うと、娘が「古っ!」と笑いました。

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