パリパリ皿うどん

No.489 / 2021年4月11日配信

 以前と言ってももうずいぶん昔の話、残業を終えて仲間と夜の街によく繰り出していました。仕事で疲れた脳をリラックスさせるためにアルコールが必要だったからです。1週間の深夜残業が続くとストレスが澱のように脳に溜まり、思考も鈍り精神状態をかなり危うくしました。心が開放を叫び出す「金曜の夜」はいつもそれらから私たちを守ってくれる大切な時間でした。

 酔うと、そこは若気の至りからか直情的になり、よく他人の意見にも食ってかかったり。声が大きくなり、店を訪れている他のお客さんにも迷惑がかかったのでしょう。見かねた店のママから「もういい加減にせんね」と厳しい言葉。未熟な若い私たちでも得意客に変わりはありませんので、ママにとっては大変辛い言葉の選択だったと思います。おかげで私たちは目を覚まさせてもらいました。

 特に年末は仕事が逼迫し、午前様が当たり前になるころに登場するのがありがたい「長崎皿うどんの差し入れ」でした。長崎出身のあのママと娘さんが手作りし、巨大な皿二枚に盛って職場まできてくれました。美味しいスペシャルな夜食です。パリパリの細い揚げ乾麺と豚肉・魚介類・野菜の具材の上に、とろっとした中華餡がかかっています。ピンク色の蒲鉾片が長崎っぽくてたまりません。

 中華餡がかかった揚げ麺の部分はしんなりしていて、パリパリした部分との楽しいハーモニーが楽しめます。すでにそのママも虹の橋を渡り、もう店もありませんが、新入社員が街に繰り出す季節を迎えると思い出します。あの、社会人としてのマナーを教えてくれた人のことを。今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」をやりながら久しぶりに皿うどんを食べてみようかな。

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