焼きはまぐり

No.485 / 2021年3月1日配信

 春になると、いや、桃の節句になると我が家の女性群以上にウキウキしてきます。旬である「はまぐり」の美味しい味に出会えるからです。貝類が好きなこともあって、年間を通じてもアサリやしじみの味噌汁、アサリのバター焼き・酒蒸し・ワイン蒸しなどを結構口にします。そんな貝好きであっても高額のため滅多にお目にかかれないのが「はまぐり」。しかしひな祭りならばと家人もOKサイン。

 縄文時代から食べられていたといわれる日本固有のはまぐりは、環境劣化により海岸の生息地が奪われることが多く、今や環境省のレッドデータブックでも絶滅危惧種に指定されるほどになりました。現在、国内で流通しているはまぐりの約9割が中国や韓国から輸入されているという「シナハマグリ」だそうですが、これから買いに行こうとするはまぐりはもちろん日本固有種の贅沢なはまぐり。

 自宅から少し郊外に車を走らすだけで、あの国内産のはまぐりに出会えるなんて私はなんという幸せ者でしょうか。近郊であるその糸島市加布里でとれるはまぐりも、潮干狩りなどの乱獲で一時期ほとんど姿を消したそうです。しかし、地元漁業者の方の懸命な努力により、私たちは再びその美味しさに触れることができるようになったというわけです。希少な味の復活に、本当に感謝です。

 今度の日曜日は「はまぐり」の買い出しに出かけようと思います。はまぐりがパクッと殻を開く瞬間。広がる潮の香り、つるっとした食感。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」で味わう焼きはまぐりは、この季節の最高のご馳走。それを思うだけでよだれが出てきそうです。気分はもうすでに小学生の遠足前夜。ただ、テーブルの上では炭火が使えないのがちょっと残念でありますが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です