新 米

No.433 / 2019年9月21日配信

 駆け出しの新入社員だった頃、「新米社員」だから危なっかしいよな。とりあえず、お前が考えたものは俺が全部チェックするから、課長に提出する前に必ず持ってこいよ、と先輩社員から声をかけられました。みんな忙しいはずなのに、そんな優しい先輩も私の周りにはいたのです。う?ん、これは煮ても焼いても食えないアイデアだな、やり直しだよ。優しくない駄目出し。

 しかし、秋に収穫される「新米」はそんな辛い想い出と違って、ヨダレ出まくりの夢のような食の世界を提供してくれます。この時期、スーパーの広告にも「新米」は強調され、TVの料理番組でも旬の収穫物との炊き込みご飯が盛んに取り上げられます。ですが、新米は美味しいけれど、残念ながら日本人の米離れは深刻で、近年その消費量は大きく減少しています。

 農林水産省によれば昭和37年度には年間一人当たり118kgの消費量だったのに、平成28年度にはなんとその半分程度の54kgにまで減ってしまっているそうです。すでに食の欧風化でパン食やパスタ類が食習慣に加わっている上に、糖尿病対策やダイエットでは、コメをはじめとする澱粉質には逆風も吹いています。ですが、米はやはり瑞穂の国、日本人の主食です。

 確かに我が家でもご飯を炊く回数や食べる量も減ってはきましたが、決してその美味しさを忘れたわけではありません。噛むたびにご飯の甘みが口中に広がり、幸せが訪れる新米の季節です。旬の食材・きのこを使った「炊き込みご飯」と今年も少し小ぶりながらやっぱり焼き秋刀魚。そして、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」との取り合わせに今年も感謝です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です