歯科医

No.421 / 2019年5月21日配信

 自分ではよく磨いてきたつもりだったのに、歯の劣化が思った以上に進んでいました。「おたくが言われたグラグラ差し歯だけじゃなく、奥歯の義歯も被せ物の中の歯が虫歯になっているし、歯茎も少し下がってきていますね」。歯科医は大嫌いだったけど、家人に「歯のせいで好きなものが食べられなくなったら、それこそ大変よ!」と脅されて、しぶしぶお世話に。

 「この先の人生のことを考えてみると、時間はかかるけど、ここはひとつ徹底的に治しておきませんか?」と尋ねられました。尋ねられたというより、抵抗はもうやめて観念しなさいと、柔らかい口調なのに強制の言葉に聞こえます。歯医者の椅子に座った瞬間から、抵抗の牙などはすでに抜かれてしまっている状態なので、弱々しくコクリと頷く他はありません。

 厚生労働省の歯科疾病実態調査(平成28年実施)のデータによると、80歳になっても20本の歯を残そうという「8020運動」の推進や歯科保健への理解が浸透してきたのでしょう、成果も上がってきているようです。平成5年に8020達成者は10%足らずでしたが、平成28年には約45%に跳ね上がっていました。国民の歯の健康への関心は確実に高まっているのです。

 だからといって安心し過ぎてもいけないようです。それは歯をなくす大きな要因である歯周病には日本の中高年の約8割がかかっていると言われているからです。「歯医者さん、どうだった?」と家人の声。「ああ、1ヶ月位じゃ終わらないかもしれん」と不満げに応えました。どうやら今夜は伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」に気分を慰めてもらう他はなさそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です