国宝

No.641 2025年7月1日配信

 邦画「国宝」は紛れもなく感動を誘う映画でした。「第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に選出された李相日監督の映画「国宝」は、スタンディングオベーションが鳴り止まなかったらしく、私もマークしていた映画です。物語の舞台が歌舞伎の世界だということで、あまり外には露出していない禁断の場面も見られるのではないかと、期待も大きかったです。

 原作の「国宝」は吉田修一さん小説で、作家生活20周年記念の作品だということなので、相当気合が入っていたのだと思います。7年程前に出版されたこの小説は四代目中村鴈治郎さんの計らいで、東京の歌舞伎座、博多座、松竹座、京都歌舞伎練場にまで出入りを許されるなど、一筋縄ではいかないアプローチのもとに書き上げられたものだそうです。すごいな〜。

 原作も凄ければ、一方の監督、役者も当初は「映画化は難しいだろう」といわれていた高いハードルをクリアーしたのだから、とても普通の能力ではありません。女型を演じる喜久雄役の吉沢亮さんの美しくて妖艶な姿は絶品でした。歌舞伎の芸を取得するのに費やした努力を思うと、言葉を失いそうです。役者生命をかけて伝統芸に挑んだ作品だということです。さすが!

 俊介役で出ていた横浜流星さんはNHKの大河ドラマでも見かけますが、国宝を観た後では印象が変わって見えたりします。(やっぱり、この俳優は凄かった)。登場する役者たちの演技も圧巻で、なんというキャスティングなんだと、そのクオリティの高さに圧倒されるばかり。そんなシーンを思い出しながら、伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を飲ります。なんという幸せ。

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