ヒーロー

No.398 / 2018年10月1日配信

 踊りながら歌え、ファンの心を掴んで話さなかった歌姫、安室奈美恵さんが引退しました。10代、20代、30代、40代の全ての年代で100万枚のアルバムヒットを記録した「とんでもないアーチスト」です。CDが全盛の私の若い頃、アルバムがよく売れていた時代でもミリオンヒットは誰にでもできることではありませんでした。いやはや、彼女は特別です。

 その昔、たけし軍団が昼の時間帯のTV番組で活躍する番組がありました。あの熱湯のバスタブに誰かが落とされる番組です。その中で売り出し中(前?)の若いシンガーが紹介されるコーナーがありました。そこに出演していたスーパーモンキーズの中に、クリクリっとした目玉が印象的な彼女がいたのを記憶しています。それが最初で、早くも4半世紀が過ぎたわけです。

 丁度、勤めていた会社がバブル崩壊の煽りを受けて、苦戦を始めた頃でした。いつも流れていたのが「キャンユー・セレブレイト?」。永遠ていう言葉なんて知らなかったよね、という歌詞の一部がとても意味深で、その時期の脳に貼り付いて離れませんでした。命に永遠がないように、企業の存続にも永遠などありません。社員の私に動揺は広がりました。

 歌は自分が生きていた時代に重なり、背景に刷り込まれます。そして、それらの歌は私たちの一歩を勇気づけ、前に押してくれました。リオ五輪のNHK公式テーマソングだったヒーローは、腰痛がひどかった私をストレッチ体操に向かわせました。今夜の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のバックグランド曲は彼女のものにしてみようと思います。サンキュー、安室ちゃん。

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