菅原道眞

No.375 / 2018年2月11日配信

 「東風(こち)吹かば 匂ひをこせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」。さあ、梅の花の季節です。京都から左遷されてきた菅原道眞を想い、一夜にして左遷先の大宰府に飛んで来た飛梅伝説がニュースになる時期です。左遷の原因については諸説さまざまあるらしいのですが、近隣に住む者としては謀られて左遷されたのだと、つい、道眞の肩をもってしまいます。

 太宰府天満宮には数多くの梅の種類があり、2月には6,000本ともいわれる白梅や紅梅が咲き乱れます。そのなかで、毎年最初に開花するのがその伝説に登場する「飛梅」だそうです。よく出来た話だなあと、感心してしまいます。さだまさしさんもその伝説を絡め、切ない若者の気持ちを描いた「飛梅」という曲を1970年代後半に出されました。

 時代は変わって、今、大宰府は韓国と中国などの観光客で溢れ、天満宮につづく参道は人気の「梅が枝餅」を食べながら歩く人が何と多いことか。太宰府天満宮の敷地と九州国立博物館は長いエスカレーターで繋がって以来、人気の特別展示期間中では人波が絶えない日もあります。しかし私には、目を閉じると今と違って人気(ひとけ)の無い昔の参道の記憶が甦ります。

 高校時代に同級生の女生徒と一緒にお参りデートをしたことがありました。「おまえ、止めとけ。あそこは縁切りで有名なんだから」と心配してくれた(?)友人の経験談を無視して…。青くさい高校時代が脳裏を駆け抜けます。やっぱり友人の話は真面目に聞くべきだったのかもしれません。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」を一杯やりながら、今夜もそんなことを…。

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