遺伝子操作

No.359 / 2017年9月1日配信

 テレビ画面に巨大な筋肉を持つ牛が映し出されました。そして普通は上から泳いでいる姿を覗けば、細く見えるはずの真鯛が丸々としています。牛肉も真鯛も私たちの食卓を飾る「食品」として欠かせないもので、効率よく肉付きの良い個体を作り出すことができれば、地球の食糧事情を考える上では有益となり、私たちの食生活にも恩恵をもたらすはずです。

 それらの人為的に生み出される経済効率の良い「お肉」は「ゲノム編集」という新しい技術で生み出されます。ゲノム編集はそれぞれの遺伝子をより有利なものに、切ったり貼ったりして置き換えていく技術のこと。もちろん、この技術は「食」に関わるものだけにとどまりません。医療の現場で大きな力になるだろうとの予想は凡人である私にとっても難しくはありません。

 治療困難な病気だって、その問題のある遺伝子を正常な遺伝子と置き換えれば解決に向かうはずです。すでに「エイズ患者」も健康に近い形まで回復したという臨床実験結果もあるそうです。DNAを書き換えてガンなどの難病を克服する技術は私たちに「明るい未来」を提供してくれますが、生命の神秘が人の手に落ちてしまうという意味ではなんとも微妙です。

 昔、月には大きなウサギが住んでいて、餅つきを。竹取物語のかぐや姫は月に帰っていきました。しかし岩で覆われた月の表面のことを、今は子供だって知っています。しかし、いまだに私の頑固な遺伝子が求めるのは、秋の十五夜の黄色くて大きなロマンチックな月。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」のカップを手に、さあ、今年も月見です。そういえば、親父も満月が好きだったなあ。

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