霜 降

No.147 / 2011年10月21日配信

 霜が降りはじめる頃のことを、夏至、秋分、立冬などの名前で季節を区切った二十四節気では「霜降(そうこう)」といいます。今年の霜降は10月24日ということで、近年の温かさからは10月の霜など想像も出来ません。昨年は10月中旬まで、半袖のポロシャツを着て外出していました。もちろん九州の地だということも大きく影響しているのでしょうが。

小学生の私はいつも一緒に登校していた友達が夏休み前に転校したため、それ以来一人で登校していました。11月のある日、下校途中に私の名前を呼ぶ声がします。振り返ると以前によく遊んだ同じクラスの子と他のクラスの生徒2人の計3人で私の方に近寄ってきました。他クラスの生徒のうちの一人は乱暴者で名が通っています。

 「一人で帰るの寂しくないかい?」とその身体の大きい乱暴者はニヤニヤしています。転校していった友達と知り合う前には、目の前にいる(乱暴者の後ろに身体を半分を隠している)同級生とも時々一緒に登校していました。「俺たちお金持ちじゃないから一緒に帰るの嫌なんだろうな」と皮肉を言った後、「なあ、明日から一緒に学校に行こうや」と大きな子に肩を叩かれました。

 その朝は初霜が降りていて、田圃のあぜ道は白く光っていました。彼らと一緒に登校することは「仲間になることを認めること」です。見上げると空は真っ青。眩しい朝日が勇気を与えてくれます。「嫌だ!」私は断る怖さを振り払って、待ち合わせ場所へ行くのを止めました。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』はそんな小さな勇気が大好きです。あの霜降の朝の決断に乾杯。 

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