小アジの南蛮漬け
No.143 / 2011年9月11日配信
秋を迎え、夏に波止を賑わしていた「豆あじ(アジゴ)」もそれから少しは時が過ぎましたが、まだまだちびっ子です。子供のアジはサビキ釣りで少し頑張れば、小さなクーラー一杯はすぐに釣れてしまいます。新鮮な真アジは刺身で食べるのが最高ですが、刺身用サイズにはほど遠い小さなアジはやはり南蛮漬けにするのが一番です。
農林水産省の資料(2009年)によると、アジの漁獲量が一番多い県が長崎県で、日本全体の27.3%もの漁獲量を誇るそうです。アジは温暖性の沿岸魚なので西日本で多く獲れ、九州に住む私の大衆魚(アジ、サバ、イワシ)好きは、新鮮なアジが手に入るそんなロケーションから来ているものかもしれません。
そんな九州には大分の「関アジ」、長崎の「ごんあじ」など、ブランドあじもいっぱいですが、各漁場での漁獲量に翳りが見えて来たともいわれ、ちょっと心配です。アジの一夜干しとして売り場に並んでいる大きなアジはノルウェーやオランダ産が多くて、これには脂の多さも手伝って個人的には少しばかり困惑してしまいます。
「あなた、またお隣から小アジをもらいましたよ」と家人が私を喜ばせてくれます。私は「やっぱりウチの南蛮漬けが一番だな」と家人によいしょのウインク。「やっぱりそうでしょ」と家人は南蛮漬けに取りかかります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』をやりながら食べる酢と唐辛子のきいた小アジの南蛮漬けは最高。それに家庭は円満だし。いや~、もう言うことなしです。