秋サバ

No.73 / 2009年10月1日配信

 「秋茄子は嫁に食わすな」という諺がありますが、「秋サバ」も嫁に食わすなといわれています。「嫁に食わすのはもったいない」と嫁いびりの意味でいわれているのか、「当たったらひどいことになるから」と大事な嫁の身体を思いやっているのか、2種類の可能な解釈が面白いところです。これはお嫁さんにとっての受難の時代、封建的だった時代の話でしょう。

 脂が乗って美味しくなる秋サバというのは「マサバ」のことです。斑点のある「ゴマサバ」ではありません。マサバのその豊富な脂には健康に良いDHAやEPAなどの「n-3系脂肪酸」と呼ばれる不飽和脂肪酸が多く含まれているといいます。n‐3系脂肪酸は市販の健康本だけでなく、「日本人の食事摂取基準(厚生労働省)」にも、すすんで取りたい栄養素としてあげられています。

 n-3系脂肪酸は成人で一日に2.6g以上(女性は2.2g以上)が目標摂取量だと示されています。サバ100グラム中には、約3gのEPAとDHAが含まれているというので、サバ好きの人は◎。この脂肪酸群は心筋梗塞・脳血栓・高コレステロール・高血圧の予防や、学習能力の向上に役立つといいますし、もういいことずくめです。美味しいだけでないところに、サバの持つ実力の凄さが伺えます。

 「サバは脳にも良いんだ」と、家人にレクチャーすると、「でもあなた、サバ好きなのに、最近モノ忘れがひどくなったんじゃない?」とのたまいます。流石のサバにも、そこまでの責任を負わすことはできません。しかし反論よりもここは焼き上がったばかりの「サバの塩焼」。気を取り直して、ぎゅっとかぼすを搾ります。伝承かめ壷造り・本格芋焼酎「幸蔵」でやる旬の秋サバ。旨い!幸蔵を愛する者にはたまらない瞬間です。

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