啓蟄(けいちつ)の頃

No.159 / 2012年2月21日配信

 生け垣の根元部分に、クモの糸でこしらえた長い袋をぶら下げている「土蜘蛛」。その袋の中でダンゴムシなどの虫を捕獲するために待ち構えているのですが、小学生の私たちはおかまいなしに土中から引き抜いては、その中から土蜘蛛を出して遊んでいました。土蜘蛛にとっては、せっせと1週間もかけてつくりあげた大切な袋を簡単に引っこ抜かれるなんて、迷惑千万だったに違いありません。

 そして、生け垣の木の根元の近くには小さな穴があいています。虫の穴より大きい穴。おそらくモグラの穴だろうと推測し、水を流し込んだりして穴から追い出そうとした記憶があります。モグラもさるもの、そんな子供の策略などに引っ掛かるわけがありませんでした。今から思えば贅沢なことかもしれませんが、家のまわりも子供にとっては楽しい遊びのフィールドだったわけです。

 二十四節気でいわれる今年の啓蟄(けいちつ)は3月5日です。「啓」がひらく、「蟄」は冬眠の虫の意味で、冬ごもりしている虫達が春を感じて土中から這い出してくる頃だと言われています。一雨ごとに冷気が緩み、日差しが春めいていくこの時季です。特に冬の間に出不精がひどくなった私のような人間に、その巣ごもりから這い出ることを季節がススメてくれているのでしょう。

 今日は日曜日。いざ外へ!といっても、家の近所で一人で土蜘蛛と遊ぶわけにはいきませんので、ランニングマシンや筋トレマシンで遊ぶ(?)ことに。そういえば仕事の忙しさにかまけて、このところスポーツクラブに出かける回数が減っていたところです。その後の伝承かめ壷造り・本格芋焼酎『幸蔵』との時間を楽しむためにも、ここは重い腰を上げなくては。さあ、気合いを入れて!

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